遼、孔明と死闘プレーオフ制す レジェンドの前で2季ぶりV スポニチアネックス 7月7日(月)7時1分配信
プレーオフ3ホール目、バーディーパットを沈めた石川。パターを手放してガッツポーズ
 ◇男子ゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミー・カップ最終日(2014年7月6日 北海道千歳市 ザ・ノースカントリーゴルフクラブ=7050ヤード、パー71)

 激闘を制して石川遼(22=CASIO)が逆転優勝を飾った。3位から出て67で回り、通算10アンダーの首位で並んだ小田孔明(36=フリー)と18番パー5でのプレーオフに突入。バーディーの奪い合いの末に3ホール目で勝負を決め12年11月の三井住友VISA太平洋マスターズ以来、1年8カ月ぶりとなるツアー通算11勝目を飾った。

 静寂に包まれた18番グリーン上。優勝を決める2・5メートルのバーディーパットを沈めた石川は、手に持つパターを離してバンザイした。大会名誉会長でプロ野球巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏(78)とテレビ解説を務めた青木功(71)が見守る前での歓喜。それも、3ホールに及ぶプレーオフを制してのものだけに「感激です。うれしいの一言。ゴルフ界と野球界のレジェンドの前で勝つことができて一生の思い出です」と喜びも大きかった。

 スーパーショットで首位に並んだ。トップの小田孔と1打差で迎えた13番パー4。残り170ヤードの2打目を8Iでピンの根元に突き刺し、15センチの“OKバーディー”。14番のボギーで再び1打差となったが、18番パー5は35ヤードの3打目を50センチにピタリ。土壇場で追い付いた。プレーオフの舞台は正規ラウンドで4日間バーディーだった18番。1、2ホールをバーディーで分けた3ホール目。8メートルのバーディーパットを小田が外すと、長嶋氏が「パットを打つ前の姿勢が素晴らしかった。見て入ると思った」と絶賛したストロークで、しびれる2・5メートルのバーディーパットを真ん中から沈めて勝利をもぎ取った。

 努力が実った。米ツアー参戦1年目の13年1月から腰痛でパットの練習量が激減。ショットが良くてもグリーンで苦しみ、シードを獲得できなかった。そんな中、北海道で整骨院を経営する北川尚史氏(31)がツアーに同行。栄養管理も徹底し、油物の量を減らして食事中はかむ回数を増やし「消化が良くなり腸への負担も少なくなったことで、リラックスできて疲れにくくなった」と北川氏は説明。プロらしく体に気を配り、今では「8時間練習できる」と胸を張る。それによりパッティングの練習量もアップ。米ツアーの平均パットは昨季1・816で160位だったが、今季は1・740で14位。米ツアーでも上位につけるパット力が1年8カ月ぶりの勝利につながった。

 今大会には米ツアーで優勝した松山が出場。この日はイーブンパーの23位から出たライバルに対し「最終日もスコアを伸ばしてくるのではと危機感があった」という。結果的には17位に終わった松山に7打差をつけて優勝。米ツアー初勝利の壁を先に越されているだけに「英樹に追い付いて、今度は米国で優勝できるように頑張りたい」と次なる目標を見据えた。


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